はじめにお詫び申し上げます。
反省はしなければなりません。
正直に言うと、何故警報になったのか理解できません。
そこでまとめてみることにしました。
本来は高層実況から解析すべきですが、私の思考過程を紹介しておきます。
(やっつけ仕事ってところでしょうか・・;)
さて、モデルは全世界のデータが揃う9時と21時を出発点、イニシャルとして計算されます。
その他にも断片的?な資料を用いて15時と3時を出発点に計算しているようです。
今回反省に用いるイニシャルは8月12日15時のものです。
いつまで手にはいるのか非常に不安で入手先を失礼ながら示していません。
資料を公開されている方には感謝しています。
ありがとう御座います。
1.最新イニシャルでの検討
8月12日15時 実況とイニシャル
実況
12日15時イニシャル
850hPa気温と925hPa相当温位と風を重ねた図です。
黄色く着色したところは925hPa相当温位が850hPa飽和相当温位を上回った所で、不安定なところです。
新潟県下越の不安定は、西から乾燥空気が入り込みますので割り引いてよいと思います。
茨城県や栃木県のエコーは850hPaの寒気が入り込み始めた所ようです。
東京都と山梨県のエコー付近にも不安定を表現しています。
ちょと苦しいですが・・東京の不安定域あるいは房総半島の高相当温位域は収束線の付け根のようです。
茨城や栃木県で警報がでたのか知りませんが、水蒸気の補給もとはなさそうです。
東京は収束線を理由にできるかもしれませんが、やはり苦しい。
850hPa相当温位に不安定域を重ねてみます。
gsm_ngo_ept850_925
850hPaは乾燥域と湿った(高相当温位)領域のコントラストがはっきりしています。
湿り域が乾燥域に取り囲まれているイメージです。
AとBは850hPaの相当温位が高い所を925hPaの高相当温位の空気が突き破ってきたようです。
あふれ出ているイメージです。
8月12日18時実況と予想
エコーは東京湾に突っ込む高相当温位域に対応しているように見えます。
収束線の付け根としてはこちらのほうがまだましだと思います。
850hPaに不安定域を重ねてみます。
gsm_ngo_ept850_925ft003
残念ながら予想は外れていますが、東京にはこの後850hPaの寒気が入ってきます。
モデルの寒気が流入するタイミングがずれたのかもしれません。
8月12日21時実況と予想
山梨県付近の不安定域から収束線が伸びているようにも見えます。
エコー付近を拡大してみます。
伊豆に向かって南系の風が吹いています。
想像力をたくましくすると収束線が東京湾から伸びているのかもしれません。
しかし、収束線の南風は925hPa付近にみられるものです。
どうも、水蒸気の供給は収束線が怪しいです。
850hPaの相当温位に不安定域を重ねてみます。
やはり、850hPaの相当温位が高い所を突き破っているようです。
(?これが収束線の構造なのでしょうか?)
2FXJP 850hPa相当温位予想
850hPaの収束線なのでしょうか?、もう少し広範囲の予想資料を時間を追って見ます。
10日21時イニシャル予想
11日9時と21時の予想です。
普通は北から乾燥した空気が降りてくると解釈すべき予想です。
北から乾燥空気が来る時は大抵北西風などで暖気は吹き飛ばされ、天気回復のイメージを持ちます。
しかし、今回は乾燥空気と湿った空気が衝突するイメージです。
温度が同じでも、相当温位が低ければその空気のエネルギー密度は低い訳ですから寒気が降りてきているのと同じなのかもしれません。
見たことがない変化です。
何故こんな変化をするのか理解できないので私はモデルの不安定表現は採用することにしました。(予報官のカンです)
11日09時イニシャル
11日21時予想が次の図です。
次は12日9時予想です。
12日9時関東の高相等温位域は弱まる予想です。
寒気が衝突してくる予想ですが、現象(雷雨)としては11日より弱まるだろうと考えました。
ここで失敗しました。このイメージで新しいFXJPを見ずに細かいモデル表現を信用することにしたのです。
新しいモデルは不安定を予想していないので、「雷はないでしょう。」と豪語しました。
(その内またやります、続けて失敗するかもしれませんが長い目で見て下さい。)
11日21時イニシャル
前イニシャル予想とあまりかわりません。
たいへん恥ずかしいのですが、先に言ったとおりこの予想図は確認しませんでした。
12日21時の予想図です。
もし見ていたら、何故、関東南部に高相当温位域が残るのだろうと思ったかもしれません。
「雷はないでしょう」とは言わなかったかもしれません。
しかし、まだ、警報は予想できません。
8月12日09時イニシャル
警報の原因は収束線だと思います。
しかも850hPaの・・
真夏に、冬の現象が起こったように見えます。
はたして、この収束線を見つけられたか?
無理だと思います。・・
そこまで力がないと言うか収束線と結論付けてよいのかです。
はたして、この概念が今後、役に立つものなのか?
この辺り解析させるのが主任予報官の役目かもしれません。
収束線なら「南から湿った空気がはいり、また、太平洋側の北からは寒気が入り不安定になった。」
と説明できます。
多分、850hPaの寒気が不安定を起こす概念がないでしょうからこうした説明はでてこないか?
また、
「警報になったのは、もともと地表付近は猛暑で溜まった湿った空気があった為」
と付け加えたい所です。
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もう私は実況や予想図と格闘できません。
格闘もせずこうしたブログを書くのは無責任なのですが・・
主にラジオの解説が耳にはいるのですが、気象解説のレベルは低すぎます。
実況図や予想図も見ずに解説をする。
根拠もなく予想を言う。
宮澤さんや倉嶋さんは絶対にこのようなことはしなかった。
迷惑でしょうが、予報士さんには競争してほしい。
気象庁は日陰で温度を計っているなどと誤報を流さないでほしいです。
日向の空気を取り込んで温度観測しています。
観測器に人が近づくだけで温度変化する敏感さを持っています。
百葉箱で温度を観測していません。
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