2013年8月31日土曜日

8月31日 めずらしいケースなので

どうして500hPaの場が話題にならないのか不思議です。
また、非常にめずらしいケースですので予想図を見ることにしました。
しつこいですが、気象予報士さんは色塗りをして下さい。
資料を見ないで、解説なんてできないはずです。

83021時 高層
300hPa


まったく、冬みたいな強風帯です。
一般に台風を東に流す風って呼ばれるものです。
好意的に言うと、「台風は日本にあるリッジ(地上でいえば高気圧)に東進を抑えられています。」です。
東西に寝た強風帯の北側には寒気、南側には暖気があるみたいです。
(この温度差が強風帯を強めているのか?、強風帯が温度差を大きくしているのか?わかりません)

本来なら、2~3日分見て考えるべきですが静止画的に資料を見ています。




500hPa

台風からの暖湿のみ解説されていますが、まるで冬です。
この寒気の南東象限(右下)に地上低気圧ができやすいイメージです。
元台風はここに突っ込んでくる?
日本海の地上低気圧は動きはゆっくりか予想しにくくなるかもしれません。

前線が活発化しているのは暖湿だけではなく、こうした寒気の影響もあると思います。
寒気は東西に寝た形で、確かに南下の予想は難しそうです。

700hPa

一見、台風がどこにあるのかって感じです。
700hPaの低気圧循環が2つしっかりしています。

850hPa

関東の沿岸ではフェーン(山超え)で高温化しているように思います。これの西側の高温域は私の間違えで低温域かもしれません。

850hPa相当温位予想
2013831日9時予想

本州の南海上に乾燥域があります。乾燥した高温域は単なる山越えだけでなく、何か構造的なものかもしれません。
今年のような年は珍しく、関東の高温などがないと、こうした現象はあまり注目しないと思います。
たとえば注目しても「乾燥域があって暖湿の元がない」って感じで予想図を見ていたと思います。

また、元台風は日本海に入ってくることができないように見えます。
(たいして、資料を見ていませんので信用しないで下さい。)


??
これで、西日本の日本海側中心の大雨?
ちょっとイメージがわきませんが、資料をみていませんので否定はできません。
懸念材料は、日本海中部の風向シアー(フレ?)が少し気になります。

輪島・館野温位エマグラム
3021
輪島


非常に危険な分布ですが、幸いにも風がある程度吹いてくれているようです。

館野

相当温位350Kの空気塊が自由対流高度を超えれば10000m以上、上昇します。
ただ、不安定は考えにくいです。

モデル表現
3021時イニシャル

925hPaの風と相当温位に850hPaの温度を重ねました。
能登半島の北で不安定になっています。
前線はこの北側のようです。

31日09時予想

低気圧や前線抜きで、こんな強風のなかで不安定を考えるのはまれなケースです。
悪天の中で、吹き付けを考えるのが普通なのですが・・
晴天ベースで不安定を考えると、風に流され積乱雲はできないと判断するのが普通だと思います。

福島と新潟県境の不安定は南東風の吹き付けでわりとリアルだと思います。
水蒸気の供給はありそうな気がしますが、少し不安と言うか・・
このブログを公開するときは、結論はでていますが・・あまり、たいした現象ではなさそうです。
長野県の温度場はあてにできませんから、これも実況を監視する程度の対応でよいと思います。
31日12時予想


作図をしていて、850hPaの温度場のイメージが作れず苦労しました。
海岸部の強風の中、この不安定は当たるのか?
富士山や雲取山辺りで不安定を表現しています。
モデルは雲取山辺をよく当てています。
対象は山岳であること輪島の温位エマグラムはとんでもない分布をしていること、不安定が予想されているのは弱風域であることからモデルは信用すべきだと思います。
ちょっとこじつけかもしれません。
時間的に少し余裕がありますから、準備をして実況を監視するってところでしょうか。

15

茨城・栃木県の不安定はよくわかりません。予報担当者は判断しなければならないので大変です。
700hPaの温度(飽和相当温位)を確認すれば安心するかもしれません。

太平洋側晴れベースを前提に東海から福井県の不安定は風に流されると考えてよいと思います、あっても山岳の一部程度・・
西日本のもの寒フレ(?考えるべきかどうかわかりませんあればの話です)からみに見えます、また経験したことのない地域ですのでノーコメントです。

3118

西日本が心配です。
日中小康状態が続くと、また不意打ちって感じです。
担当は、大阪管区気象台?
関東の平野部では熱風が吹いて終わりなのでしょうか?火災に注意ってところなのですが・・

83121

福井県や富山県は15時に西日本で現象が見えているはずです。
準備する時間はありますから慌てることがないように、技術課長さんと午前中に軽く相談するくらいしておいたほうがよいと思います。
技術課長さんはそれが仕事ですから・・

910

先の話なので、「西日本の現象は東進してくるかも」と思って実況を監視してください。
県内だけを見ていて、ひどい目にあったなんてならないようにして下さい。

頑張ってください。


2013年8月25日日曜日

富士山での行動は慎重に

イメージしたより悪い予想でした。
ゆっくり考えるより、午後の行動は止めた方がいいと思うので公開します。
黄色く着色した所が不安定な所です。
黒い線は925hPaの相当温位です。

8月25日9時予想

12時予想
15時予想
水蒸気の供給がどこか?静岡県側ではやや外しやすい傾向がありますが・・ゆっくり考えている暇はなさそうですのでモデルを信じて下さい。

富士山付近では925hPa(730m位)350kの湿った空気が予想されています。
この空気は14000mまで上昇する可能性があります。







2013年8月20日火曜日

高層天気図を見てみます

短期予報を担当していると昼頃に高層天気図が配信されてきます。
担当者は夜勤もありますので、その場その場で資料を見ることが多くなります。
私の場合、資料は使い捨てで1週間分の資料を振り返ることはまずありません。
私は現場で天気図を見てきましたが、理屈は知りません。
理屈を聞いても「原因と結果は逆ではないか?」と思うことが多く、天気予報は理屈ではなく前兆現象を見つけ出し現象を予想すればよいのだと思うことにしました。
空気は理想気体ではないので、独自理論を作るか、頭の中にデータベースをつくるしかないと思います。
これも独自理論ですが、空気は理想気体のように振る舞う場合とそうでは無い場合があるのです。
ここでは、予報担当者(私)が天気図を見てどんなことを思うかを紹介します。
理論は不確かです。

87日から19日の9時観測の高層天気図を見てみます。

300hPa

879時の300hPa実況図です。
地上天気図とは違って300hPaなっている高度線が書いてあります。
着色したところは風が強く吹いているところで、強風軸とか言われています。
理由はないのですがが、私は強風帯と呼んでいます。
一般に強風帯の北側には寒気があり、南には暖気があります。
勿論、寒気と暖気は相対的なものです。

強風帯のイメージは大体こんなイメージです。(正確ではありません。)


西風成分は角運動量保存則から赤道付近で最少となります。(コリオリ力は角運動量保存則から説明されます。)
日本の北側で強風帯がおじぎをしているのはこのためだと思います。
西風成分が最少の所が谷に対応して、その東側で地上低気圧が発達しやすい所になります。


500hPa

500hPaの天気図も高度線が書いてあります。
加えて温度線も加えられています。
太平洋高気圧が中国大陸まで張り出しています。
中国大陸マイナス3℃線で囲まれる高温度域があります。
高温度域の西、高気圧の縁を回ってやや湿った空気が入っています。
私は、この湿った空気が大陸を吹き渡るうちに水蒸気を落とし高気圧を高温化させていると考えました。

700hPa

500hPaで描いたイメージは700hPaの天気図などで補強されたものです。
注意してほしいのは、チベット高気圧は冷たくないことです。
それでも、中国大陸の高温度域の北側で湿っている(ドットエリア)のは多少寒気がおりているためでしょう。

850hPa

 300hPa
7から11

前回、チベット高気圧と太平洋高気圧で私は東西流が日本の上空に熱を運んできているのだろうと考え東西流が解消すれば猛暑も解消するかもしれないと考えました。しかし、乾燥した高温の高気圧が移動してきました。
10日、移動性高気圧の西では、再びリッジが強まっています。

811から14

移動性高気圧は西のリッジが来るのを待って動きが遅くなり、日本本付近に停滞しました。14日には再び中国大陸で高気圧が強まりました。
大きな場でみれば、中国大陸で高気圧ができやすい場なのかもしれません。
天気図をみてこんな感じかなあと思うわけです。

815から18


強風帯が強まって中国大陸奥地の高気圧が強まりました。南の高気圧が北の高気圧に吸収されました。強風帯はさらに強まり高気圧も強まりました。
強風帯と高気圧に何か関係があるのだろうなと屁理屈を作りあげます。
何回か同じような経験をしたら経験をしたら法則として採用します。
強風帯がしっかりする冬には結論をだせるでしょう。

500hPa
87から11

7日と9日を比べて下さい。7日は中国大陸の南に乾燥した暑い領域が停滞していましたが9日は西に流されています。
300hPaに戻ると、東西流が南下して日本の北にあるのがわかると思います。


81114

7日と13日と比べて下さい。北日本の東海上に寒気が下りてきました。
寒気のさらに北東には強い寒気が顔をだしています。
そろそろ、季節の変わり目かなと思いました。

81518

北日本の東海上の寒気は解消してしまいましたが、北海道には深いトラフが接近し温度線が込み合っています。
温度線が込み合い強風帯が強まった天気図はまるで冬のようだと思いました。
中国大陸で温度が高くなっていますが理由はわかりません。
強風帯がしっかりするのと温度線が込むのはワンセットの現象です。
強風帯とその南の高温化が結びつけば理想的ですが・・
冬もこうなるのか興味がでてきましたが・・
冬になればわかるでしょう。


本来、テレビやラジオで解説する気象予報士さんはこうした天気図の色塗りをして解説に臨むべきだと思います。
当然、そうしているはずなのですが、解説を聞いていると実況図や予想図も見ずに「南から湿った空気が入り、大気の状態が不安定になり・・・云々」と解説しているように思えます。
基礎はできているはずでうすから、毎日実況図や予想図の色塗りをして実際の天気・衛星・レーダーと見比べていれば、半年程度で予報官レベルにはなるはずです。

しかし、こうして頭の中に天気図のデータベースを作らなければ、いつまでもまともな解説や予想は出来ないと思います。




2013年8月19日月曜日

残念ですが

残念ですが・・
資料をリアルタイムで入手できなくなったようです。
ほぼ1日おくれで、925hPaの相当温位予想は過大になるようです。
今後は予想できなくなりそうです。
事後検証で利用させてもらうことになりますが・・これもイニシャルが18Zではかなりむずかしいです。
できれば、00zイニシャルを公開してくださるとうれしのですが・・
勝手なことを言ってもしかたないですね。

所で今日から明日大丈夫なのでしょうか。

2013年8月18日21時
高層
300hPa

全く冬ですね!
一体どうしたのだろうと思います。
500hPa
合流場(前線)の南北振動には神経を使うことでしょう。
今夏よくある大陸から南下し日本海に落ち込む変な寒気に気を付けることが必要です。

700hPa
言い忘れましたが、こうした寒気は動きが遅です。
ぐるぐる回転してますから、何回も谷が通ります。そのたびに大雪じゃない大雨になります。
台風もからんでますから大変だと思います。
850hPa
関東の沿岸に変な寒気があります。
この寒気は乾燥しているようなので、この夏いきなり関東平野部に雷をもたらしたものとは違うかもしれません。
興味があったのですが・・・しかたないか。

FXJP 850hPa相当温位予想
19日9時予想
日本付近は、暖気と寒気が衝突する場になっているわけです。
やはり経験したことが無い場だと思います。
現在の衛星を見てみましょう。

気象台の予報官は緊張感を持っていると思います。
ニュースはそれなりの内容だとは思うのですが・・
予報士さんはできれば雲やレーダーの動きを説明できるようになってくれるとよいのですが。
FXJPに戻ります。

19日21時
20日9時
20日21時

雨の予想
19日9時
19日21時

温位エマグラム
















2013年8月17日土曜日

2013年8月17日予想

初めてのケースです。
どうなるのか参考に資料を作りました。
予想資料は残念ながら1615時イニシャルで古いものになりました。
海上海岸中心の雷です。雷雲が接近したら海から上がってください。
と言うか釣りとか海水浴は思い切って中止したほうがよいかもしれません。

高層天傷
201381621
300hPa

500hPa

700hPa

850hPa


太平洋側でだいぶ湿っぽくなってきました。
広範囲の温度場を追っていないのですが・・
太平洋の寒気の予想はしているのでしょうか?
今回、見たら寒気は解消の予想だったような不思議な気がしました、

TXJP 850hPa相当温位予想
これは1621時イニシャルです。
17日9時予想
21時予想


どうやって、関東沿岸を乾燥させているのか不思議です。不自然と言う意味ではありません。構造に興味があるってことです。
モデルを信じます。

温位エマグラム



下層に溜まったエネルギーは中々解消しません。
なんとかならないかと思います。

非常に危険に見えますが、海上ではなかなか発雷しません。
太平洋の適当な所に1000mクラスの山がいくつかあったら、台風は減るのではないかと思います。
海上では、点みたいなエコーが強雨をもたらします。
旧モデルでもエコーを追うこと(動きを予想)ができました。
今現在のエコーを見ます



176時予想

赤い数字は850hPaの飽和相当温位です。
黄色は不安定いきです。
海上で広範囲で不安定になっています。
山がないためと思いますがなかなか発達しません。
エコーは点状で局地的に発達することがあり、監視に神経を使います。
今回は南風で海岸に突き刺さってくるイメージです。
これほど広範囲の不安定は記憶がありません。
どうなるかわかりませんが、災害の起こるポテンシャルは高いでしょう。

9

12

15

飽和相当温位350kが内陸に侵入しています。
860hPaの寒気が南から侵入しています。
天気予報を聞いているとモデルは雨を計算していないようです。
温度線が複雑で気が付かなかったのですが、新潟県下越付近に360kの相当温位を計算しています。
風のよどみ域のようで、不安定にもなっています。
本物なら警報です。

18



21

850hPaの寒気が静岡県に衝突するイメージがありますが、南西風で沿岸部や伊豆諸島で警戒するイメージです。

180