何回かモデル表現を見てきました。
私は基本的にモデルを信用してきたと思います。
しかし、モデルは対流現象がにがてだとも思っていました。
今回のモデルは正確だなあと思っていたのですが、やはり対流現象は苦手のようです。
変な癖の為、総観場の予想イメージがつかみにくく予想時間が長くなると下層θe予想が過大になっています。
気象庁は毎時の地上θeを確認する必要があるでしょう。
不安定が問題なとき、富士山、奥日光、河口湖の実況を監視する予報官は今いないのではないでしょうか?
温位エマグラムを知らなければこうしたポイントは監視しません。
空港で露点温度=地上相当θeを観測していないのは信じられないことです。
と
7月5日のモデルをみて思いました。
申し訳ありませんが7月5日の反省会は、モデルへの恨みになりますので省略します。
7月8日の関東平野部での熱雷(?)は珍しい現象だと思います。
7月8日の関東平野部での熱雷(?)は珍しい現象だと思います。
細かい資料は手に入らない(明確ではないので集めようとも思わない)のですが、ESシアーによるものと思えますのでまとめることにしました。
2日続けてESシアーによるシビア現象はないと思います。
1.7月8日9時実況
500hPa
サーマルトラフは抜けかけています。こじつければ西日本の対馬海峡あたりにある寒気が気になる程度です。
能登半島で風が少し北成分をもっていますので、実況と重ね合わせ小さな寒気が入ってきてるかなあ~って感じです。
850hPa
南から高気圧におおわるパターンで晴れて地上気温は上がりやすいってイメージです。
新潟県のエコーは一見500や850hPaの実況からは想定外です。
高層観測実況で確認します。
秋田
自由対流高度(LFC)は1000m程度、雲頂(EL)は1500m程度と考えて良さそうです。
対流抑止層を突破すると雲頂は10000mをこえるので要注意ではありますが・・
輪島
難しいですが・・
地表付近(500m程度)はまだこの時間対流に参加しているとはおもえません。温位の値が一段低くまだまざり始めていないとおもいます。θeとθe*が重なっている所は湿度100%で絶対不安定なのでしょうけどエネルギー(CAPE)自体は小さいのかもしれません。
正直、エコーはよわいなって感じです、
こうした感覚は八丈島なんかでもよく経験します。
館野
かなり安定しています。
1000~1700mでθeが高くなっていますから、山岳では発雷するかも?ってところでしょうか?
500、850hPaの実況やエマグラムから東京の雷のイメージはありません。
2.予想と実況
12時
850hPa気温
850hPaで21℃の温位は308kで1000hPaは35℃のイメージです。
925hPaθe
850hPaの18℃線石川県~新潟県です。エコーの広がりの解釈はできませんが、栃木県の赤いエコーは表現しているとおもいます。
ただ、現場ではこの予想図は手にいれていません。
実況を確かめることはできますが・・していないだろうなあ~。
15時
850hPa 気温
925hPa θe
ESシアーを疑わなかったら山岳中心の雷とした私も油断したと思います。
私が当番だったらESシアーを疑うかどうかはわかりません。しかし、現場にいれば私は毎時地上θeを確認します。
16時ころかなりあわてていたことでしょう。
18時
850hPa 気温
925hPa θe
次の図は東京の地上θeとθe*のグラフです。
東京の風向きの変化は次のとおりでした。
現場では925hPaのθeは概観だけ信用して、後は地上θe中心にエコーっとにらめっこして決めるって所でしょう。
もし訳ないが、FT=12をすぎると全面的にモデルを信用する気はなくなりました。
ESシアーを疑っていれば、気象情報をだせたかどうかってところでしょうか・・
出せなかったら、この日は給料泥棒です。
本庁の予報官はほとんど結果責任です。
本庁の予報官はほとんど結果責任です。
そもそも、予報官が925hPaのθeを見ているのか疑わしいです。
厳しいですがこの日の予報官はしっかりしたレポートを書いて指示報として還元すべきです。
通常、指示報は1枚ですがそろそろ反省文も共有すべきです。
(本庁内部では共有するのですが、地方とは共有しない悪習が昔ありました)
さて、この時間925hPaのθeと850hPaの温度(飽和相当温位)から実況のイメージはつかめません。
この予想で東京であれはどの強雷のイメージを私はもてません。
注目してほしいのは、茨城県に入る東風と、見えにくいですが神奈川県にはいる南風です。
不安定が予想される時、東と南風のシアー上にかなりの確率で強雨が起こります。
21時
850hPa 気温
925hPa θe
3.雑感
21時の温位エマグラムを見ておきましょう。
関東での雷のイメージはありません。
2日続けてESシアーの強雨と言うのは経験したことはありません。
またESシアーについては、強雨でなくても綺麗にできて、
夕方、茨城県からシアーが関東平野部に向かって降りてくることがあります。
予想図からはなんとなくキミが悪い印象を受けて、降水確率を30~40%に引き上げるのですが・・
埼玉県で雨が降り、予報を外したことになりました。
着任したばかりで、「東京で外した訳じゃないだろう・。・」と思ったものですが、東京はそうした所なんだとすぐに納得しました。
予想図からはなんとなくキミが悪い印象を受けて、降水確率を30~40%に引き上げるのですが・・
埼玉県で雨が降り、予報を外したことになりました。
着任したばかりで、「東京で外した訳じゃないだろう・。・」と思ったものですが、東京はそうした所なんだとすぐに納得しました。
ESシアーがモデルで現れるか期待していたのですが、今回も風の風向変化だけのようです。
派手な現象ばかりだけではないので、とりあげにくいのですが・・
そのうちに2~3例は話題にできるのではと思っています、
0 件のコメント:
コメントを投稿