ラジオで、14日東京で突然雨が降ったとか。
関東の平野部で雷は起こりにくいと思っていましたので、調べることにしました。
1.実況
500hPa
北海道付近の谷の動きはゆっくりでほとんど動いていません。
本州付近は西風で、暖かい大陸の空気を運んできています。
元台風は大陸の空気に湿りを与えているイメージです。
九州の南南西の寒気は衛星で雲が組織化しだしているのをとらえたのかもしれません。
850hPa
館野は20度、八丈島は22度もあります。
飽差(気温―露点温度)は10℃もあって乾燥しています。
猛暑の原因はフェーン現象と言ってよいでしょう。
NHKラジオの気象予報士は湿った空気が入って雷雲が発達したと言っていましたが、850hPaの実況図も見ていないのかもしれません。
館野エマグラム
自由対流高度(LFC)は2000mと高めです。
山岳中心(多分標高1000m位・・)の雷ってイメージです。
水蒸気の補給がなければ単発で終わりですが、最近の現象は日本海から補給がありイメージより激しくなっていると思います。
850hPaは山岳から平野部に向かって気温が高く、925hPaの相当温位は低くなるイメージですから、山岳や山沿いで発生した雷雲が流れだしても、すぐに弱まると考えられます。
2.2013年7月13日21時イニシャルモデル
今回は不意打ちを食らった感じで、14日09時イニシャルの予想資料を取り損ねてしまいました。ちょっと残念です。
14日06時実況と予想
新潟県中越でエコーが発達しています。
850hPa 気温
新潟県中越から下越にかけて15℃の寒気が計算されています。
15℃の飽和相当温位は338kです。
本州上を18℃線が走っています。18℃の飽和相当温位は350kです。
925hPaの相当温位が350k以上なら、925と850hPa間のSSIは、マイナスになります。
925hPaの相当温位350kを注目すればよいでしょう。
850hPaの温度に対応する飽和相当温位は次の通りです。
15℃→338k
16℃→342k
18℃→350k
20℃→358k
22℃→368k
925hPa相当温位
予想は当っています。
9時実況と予想
新潟のエコーは少し弱まりました。富山県の弓なりのエコーに注目してみましょう。
850hPa気温
15℃の寒気は弱まってきました。
富山のエコー辺りは16℃ってところでしょうか、飽和相当温位は342kです。
17℃の飽和相当温位は346kです。
925hPa相当温位
エコーの辺りは850hPaの温度が16℃(飽和相当温位342k)で925hPaの相当温位は346kです。SSIはマイナスと判断できます。
これに比べると岐阜県のエコーは弱いです。
しかし、基本的な風系は西で水蒸気の補給もとは海上で、主な補給先は富山県と考えられます。
富山県のエコーは発達しながら東進すると考えるべきです。
12時の実況と予想
強雨の主体は運がよく海上を東進したようです。
新潟と福島のエコーは富山にあったエコーの位相が東進してきたものです。
850hPa 温度
新潟と福島にかかるエコーの辺りは16℃(342k)位です。
福島の18℃線の動向にちょっと注目して下さい。
少しサーマルトラフ的な変化が見られます。
925hPaの相当温位
エコー辺りのSSIはマイナスと判断できます。
しかし、海上からの水蒸気は細く、風も西風で南成分もあり陸地に突き刺さるイメージはありません。エコーは東進して弱まってきているかもしれません。
目的は新潟ではありませんので、エコーの様子は詳しく集めていません。
15時の実況と予想
850hPaのサーマルトラフとの関連を疑いたくなりますが、関東では、熱雷パターンでいつもの所で雷雲が発達してきた印象です。
850hPa気温
東京湾に向かって、北東方向から寒気が落ち込んできました?
少し不自然に感じます。また、そろそろ値は過大であるになることを疑いながらこと傾向は信用して実況監視すべきときです。
予報を考えて、各県への指示事項も書かなければならないので一番大変な時間帯です。
時間は09時の新しいイニシャルを見られますから予想は信頼できます。
今回、見ることはできないのですが・・
18℃→350k
20℃→358k
22℃→368k
925hPa相当温位
東京湾に収束線ができかけている?
収束線の構造はどうだった?忘れた!情けない!
収束線はよく静岡県の駿河湾によくできるのですが、三島で体験したときは全く訳がわからずビックリしたものでした。
東京奥多摩と栃木のエコーの根拠は分かりにくいですが、予想図はエコーを否定はしていないと思います。
09時イニシャルの予想では当てているかもしれません。
18時実況と予想
850hPa気温
変な寒気(18℃)が東京湾に南下してきました。
悪さをしたのはこいつようです。
500hPaの谷とSSIだけで雷を考えていた古手の元予報官は850hPaの寒気が雷に関係すると知ったらビックリするだろうなあ~。
そうした人からアドバイスしてもらって、平気で「熱雷は何時何処で発生するかわからい」などと言うのだと思います。
気象予報士は予想することを拒否しているわけです。
わからないから、実況も予想図も見ないでイメージだけで適当に解説する。
試験に合格してから実力は下がる一方で解説の質はどんどん下がる、そんな感じがします。余計なことか・・
何故寒気が降りてきたのでしょうか?
15時と18時の850hPa風予想を見てみます。
15時
房総半島の白いエリアは低相当温位域です。このエリアの温度は1度程度の違いしかありません。
つまり、乾燥しているエリアだと考えられます。
わかりますよね。
温度がおなじで、相当温位が低いのは水蒸気が少なく乾燥しているってことです。
温度がおなじで、相当温位が低いのは水蒸気が少なく乾燥しているってことです。
乾燥するのはフェーン現象によるものと考えられます。
こじつけかもしれませんがフェーンがなくなる、あるいはフェーンの起こる場所が南下すれば温度が下がると考えられます。
18時
白いエリアは東進して南下する予想です。
850hPaの奇妙な寒気は本物と考えてよいと思います。
09時イニシャルはどんな予想していたのか、取り損なったのが残念です。
さて925hPaの相当温位に戻ります。
925hPa相当温位
伊豆半島の高相当温位は強調し過ぎかもしれません。
伊豆半島は、擾乱による雨はよく降るのです。
しかし、500m程度の山しかなく山肌を駆け上がる上昇流が起こりませんので、熱雷はほとんど起こりません。(確か3年分位の資料を使って調査した結果です。)
東京湾?付近には南風が入る予想です。
すこし変則的な収束線のようです。
房総半島の高相当温位域を中心に850hPaの寒気が接近して雷雲が発生し始めている時間帯と思います。
21時実況と予想
東京・神奈川の雷は終わってしまいました。
エコーの様子は後で示します。
850hPaの気温
925hPa相当温位
エコーは、房総半島北の高相当温位域だと思います。
今回のモデルは関東については完璧だと思います。
さて、東京・神奈川のエコーの様子です。
こじつけですが、東京・神奈川の雷はフェーン現象の弱まりによる850hPaの温度低下(原因)と、変則的な収束線(場所の特定)によるものと解釈しました。
いかがでしょうか?
0 件のコメント:
コメントを投稿