2013年6月24日月曜日

2013年06月24日茨城県で警報になりました

茨城県で警報となりました。



同じ所で強雨が続いたようです。
雷を心配していたのですが、雷はなかったようです。
このエコーについて考えてみます。

1.総観場

NHKラジオの予報士は上空に寒気が入ると解説していましたが、実況図を確認しているのか疑問です。
イイカゲンなイメージで解説しているような気がします。
ご覧のようにサーマルトラフは抜けています。

2321時の館野は
24日09時


エコーの雲頂高度は6000m位になると思います。東京電力の雷レーダーでは雷は捕らえなかったようで、雷注意報は発表されなかったようです。
鉛直方向へのCAPEはそれほど大きくありません。
雲頂高度6000mだと少し雷が心配ですが、実況対応したのかもしれません。

2.062321時イニシャル
モデルは062321時を次のように表現しています。

500hPa気温

500hPaマイナス9℃の飽和相当温位335k

850hPa気温

850hPa12℃の飽和相当温位328k、13332k15338k

925hPa相当温位

東京から千葉県にかけて335k以上の暖湿が解析されています。
房総半島の850hPaの温度は13℃とみてよいでしょう。この13℃の飽和相当温位は332k
ですからここで、925hPaの空気は6000m程度まで上昇してもおかしくない訳です。


房総半島には茨城県のエコーに水蒸気を供給する暖湿があると解釈できるでしょう。

3.062406時予想
850hPa気温
925hPa相当温位

房総半島は南風、海上からは南東風で茨城県に水蒸気を供給する形になっています。
2321時とほとんど変わらない構造ですから茨城県のエコーはほとんど動かないと考えることができます。
もう一度2406時のエコーをみます。


4.062409時予想
850hPa気温予想

850hPa12℃の飽和相当温位328k、13332k15338kです。


06時の構造とあまり変わりませんが、海上の暖湿はやや東へ移動しているように思えます。


5.062412時予想
850hPa気温予想



例によって長野県に人工的な日変化の昇温を予想しています。

925hPa相当温位

房総半島の暖湿は弱まる予想です。
山梨から長野の東側で相当温位が335k以上になるようですが9時の館野の様子から極端な不安定は考えにくいです。




5.062415時予想
500hPa気温予想

850hPa気温予想

925hPa相当温位

よくわかりませんが、長野県の335kは中心に向かって低い部分が残る予想かもしれません。
山岳でぎりぎり発雷するかどうか程度のような気がします。
実況対応でよいと思います。

****************
雷について

06月24日の雷(?)雲は雲頂高度6000m程度だったと思います。
次の図は24日21時館野で観測された速報値で書いた温位エマグラムです。

温位エマグラムから
自由対流高度は1500m程度で雲頂高度は6000m程度
です。
湿球温度が0℃以下になるのは3800m位からです。
ヒョウは3800m以上で作られると考えてよいのでしょう。
調査が必要ですが、ヒョウによる農作物への影響はないと思います。

次の図はよく憶えていませんが比湿(?)とか言うやつの逆数のグラフです。
物理的な意味は「ギブスのパラドックス」を参照してください。
水蒸気が理想気体ならP/eは一定の値になるはずのものです。
Pは気圧でeは水蒸気圧です。

地上付近に等相当温位の層があります。
雷雲にエネルギー(水蒸気)を供給する層だと考えます。
本来なら、925と950hPaの相当温位をミたい所ですが、経験的には925だけでも十分だと思います。
また、地上の相当温位を監視しているとかなりのことが分かるのです・・

さて
24日は朝からエコーはあって茨城県では強雨が続き、警報が発表されました。
早朝、栃木県では雷注意報を解除していて「あれ?」と思いました。
東電の雷レーダーで確認すると確かに雷は発生していないようでした。
関東甲信越では冬に雲頂高度が4000m程度でも発雷するのですが・・
確かにSSIが悪くても、500hPa以上の飽和相当温位が高いとき雷をネグった記憶あったので
「発雷しないのか」
と思いました。

いくら理屈をこねくりまわしても実況には勝てない。文句は言えない、
茨城の予報官もこんな感じで警報を発表したと思います。

24日午後の様子を東電の雷レーダーをみます。
図は12時の降水の様子です。

降水の原因は熱雷ですから雷注意報を発表するのは当然です。雷レーダーは
雷は観測されていません。
13時の降水の様子

雷の様子

14時の雨の様子
経験的には赤系の色の所は雷が発生していると判断します。

諏訪の南東と甲府付近に弱い発雷が観測されています。
機器は壊れていないようです。
ハッキリ言って雨の様子から雷は弱すぎます。
15時の雨の様子
18時の雨様子
雷の様子

雨の様子に比べ雷が弱すぎます。

冬は雲頂高度が多分4000m程度でも発雷します。(一発(単発)雷が多いのですが・・)
ひょっとすると降水の温度が関係しているのかもしれません。
もう一度、温位エマグラムをみて下さい
一番左のプロットは湿球温度です。


氷になるのは3800m以上で高度が高いのかもしれません。
また、雲頂高度は6000m程度で雷雲としては低いです。
このあたりの厚みが雷に関係しているのかもしれません。










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