天気予報の解説で、「湿った北東風の影響で雨が降り、気温が上がりにくい」と説明されることがあります。
北東風が吹くのは地上ですから、地上に湿った冷たい空気が入ることになります。
実際にそうした事が起っているように見えるのですが、地上高気圧の圏内で起こることがあり予報官には何故雨が降るのか分からず予報を外していました。
最近はモデルの精度が上がり、予報を外すことは少なくなったと思います。
ただ、何故雨が降るのか分からない予報官は多いかもしれません。
「冷たい北東風で雨が降った。」と言えば何か説明したように聞こえますが・・
冷たい北東風で何故雨が降るのか、わからなかったのです。
今回は北東気流と呼ばれるきれいなパターンにていますが・・
北東気流の解説はウェザーニュースさんの解説がよくまとまっていると思います。
http://www.otenki.co.jp/com/list/ch_hokuso_08_05.html
予報士さんは読んでおくべきだと思います。
1.2013年9月22日21時高層実況
300hPa
北海道は深い谷が抜けました。2つ台風はあまりはっきりしません。
500hPa
昨夜(22日21時)本州上に弱い谷がかかり始めています。
300hPaの流れはありますから、23日朝の内か午前中通過ってイメージでしょうか。
そういえば最近「上空の気圧の谷が通過して」と言う定番の解説はあまり聞かれなくなった気がします。
予報士さんが高層天気図を見なくなったためかもしれません。
700hPa
館野と八丈島が北北東です。
谷が抜け、台風が寒気を太平洋側で引っ張り込んでいるようにも見えます。
850hPa
八丈島は東風で湿っています。
台風からの湿りが入っているようです。
館野は北東ですが、わりと乾燥しています。
2.温位エマグラム
2013年9月22日21時
館野
3.FXJP854
23日9時予想
北日本には850hPaの高気圧循環が載っています。
北東気流は、この高気圧後面の湿った南東風が地上高気圧に乗り上げるイメージです。
高気圧循環は東に抜け北日本では南東風、関東でも南風成分をもっています。
北東気流の解説にかなり近い場だと思います。
気になるのは房総半島にかかる330kの高相当温位の塊です。
ちょっとカンニングしますと、千葉県南部の予報は「 所により 夜 雨」で降水確率40%でした。
所によりではなく、1ミリ以上の雨が降ると考えると降水確率50%以上にするのが暗黙(?)の了解事項です。
担当者は少し迷ったかもしれません。
伊豆諸島の実況を見れば、雷の可能性もありますので50%以上にしたほうがよかったかもしれませんが・・
時間的余裕はありますので、日勤者に任せたのかもしれません。
4.モデル
本州は谷の通過がありますので500hPaの温度予想を見ておきます。
500hPaのサーマルトラフは午前中に通過するようです。
23/00Zが23日09時予想です。
2013年9月22日21時イニシャル
いつものように925hPaの相当温位と850hPaの飽和相当温位(=温度)を重ねました。
黄色く着色した所は850-925hPa間のSSIがマイナスで不安定と判定できるところです。
不安定は過大に表現されているようですが・・相当温位の値は340k以下と絶対値が小さくこの程度なのかもしれません
愛知、静岡県境の不安定は表現しています。栃木県のエコーを表現しているかは時系列的に調べたほうがよいかもしれません。
気になるのは伊豆諸島に出ているエコーです。
22日21時地上相当温位(1000hPa基準)は銚子335k、勝浦338k、大島332k、三宅島336kでした。
北東風による925hPaの低相当温位の流れ込みは、実況により修正する必要がありそうです。
伊豆諸島は神経を使う場になるかもしれません。
23日6時予想
伊豆諸島には330kの相対的な高相当温位の塊が時々通るようです。
東から西へエコーは移動するタイプですのでやはり神経は使いそうです。
本庁の優秀な若い人が見ているのでしょうから、あまり心配はないと思います。
23日9時予想
相対的な高相当温位の塊は計算されているようです。
まだ、エコーの動向は追いやすいか?ちょっと苦しいか?頑張ってもらうしかありません。
23日12時予想
不安定域が房総半島に接近するようです。
房総半島に330kがかかる予想です。
15時予想がこれより悪いなら、注意報(雷)の準備をしたほうがよいでしょう。
私は温位エマグラムが見られない状態ですが、あまり悩まずの発表したほうがよいと思います。
23日15時予想
北日本の850hPaの寒気が強まっているように思えますが、少し不自然な気がします。
日変化で寒気を強めているのか?海上から冷たい空気が入るわけではありませんから信用すべきか迷います・・
房総半島や伊豆諸島は新しい資料で瞬間的に判断するか、現象が起きてしまっているかちょっと大変な時間帯があるかもしれません。(「迷ったら」の話ですが・・)
福井から石川県の相当温位が高くなるのが理解できません。
こちらは、日変化で高くしているのかもしれません。
少し眉唾な予想に思えます。
水蒸気の供給元はありませんからあまり気にしなくともよいのかもしれません。
FXJP854では南成分の風が予想されていましたので、細かい850hPaの風予想を見ておきましょう。
関東は東風のようです。
台風もからみ、高気圧循環の移動も順調なのできれいな北東気流の形にはならないようです。
日本海側の高相当温位はやはり理解できません。
23日18時予想
房総半島(南)と伊豆諸島のもやもやした状態が続きますがこの時間帯は新しい資料で判断できますし現象があればすでに起こっている時間帯です。
23日21時予想
335kの塊の動向がカギですが、今の所かなりしつこそうです。
関東南部の沿岸部は注意が必要と言ったところでしょうか。
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気象庁は台風には全神経を使って追っています。
少ない資料で追っても雑音にしかならないと思います。
降水量予想は、大雨ガイダンスなどがないと予想はできませんので意味もないと思います。
今回はほとんど雑音になりました。
冬型の強風や関東の雪予想が必要になるまで興味深い現象は追えないかもしれません。
練習で、時々天気図を見る程度になると思います。
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しかし、太陽がでると雲が薄くなる傾向なんてあるのか?
どうやって調べたのか不思議です。
昔、時間別、1時間雨量を調べた事があったような気がしますが、つまらない(違いがなかった?)からまとめなかったと思います。
若いころ北東気流などで予報を外し、何度も「太陽がでれば、雲は消散してくれるんじゃないか」思った事を思い出しました。
しかし、太陽がでると雲が薄くなる傾向なんてあるのか?
どうやって調べたのか不思議です。
昔、時間別、1時間雨量を調べた事があったような気がしますが、つまらない(違いがなかった?)からまとめなかったと思います。
若いころ北東気流などで予報を外し、何度も「太陽がでれば、雲は消散してくれるんじゃないか」思った事を思い出しました。